まっさきに学ぶ!「ごいし民俗誌」第3回勉強会 報告

P2150845【映像視聴可】
日時
:2月15日(日)9:30〜12:00
会場:末崎地区公民館(ふるさとセンター)2階会議室

演題:「暮らしの記憶を記録する ごいし民俗誌その後」
講師:今石 みぎわ(東京文化財研究所 無形文化遺産部)
企画協力:碁石地区復興のまちづくり協議会
参加者:地元参加者13名 地元スタッフ2名 活動スタッフ10名
動画:暮らしの記憶を記録する(48分00秒)

はじめに碁石地区(旧泊五部落)の昭和23年、昭和50年、平成22年の航空写真を示し、丘から海へ風景の変化 =暮らしの変化について説明。

暮らしの記憶を記録する(48分00秒)



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昭和30年代に小松藤蔵氏が考案・確立した養殖わかめ生産手法の普及により、生活基盤は養殖わかめ業となり、安定化が進む。このことにより20年代には浜辺の周辺まで広がっていた畑が減少し、植林により森が増えている。航空写真による景色の変化は暮らしの変化の表れであることが良くわかる旨、強調。記憶を記録することの重要性について、以下の事柄を事例に出席者に訴えた。
・ 蛇落地(上楽地)と 悪谷(足谷)の話
・ 様々な地名とその歴史
…チヨメ泣かせ、熊野浜、座頭山
・ 屋号が伝える歴史と移動
…イドバタ、チャバタケ
由来伝承・変遷とともに残していくことが大切
・ 家と暮らしの密接な関わり
…土間と旅芸人の話
…家とハレの行事
・ 気仙大工の建てる家
・ 観光資源としての家並み
・昭和7年の布海苔石名簿

また、ごいし民俗誌のこれからの活動に向けて、この冊子からは抜けている
・地名・屋号の記録
・石碑やお墓の記録
・古い写真や部落文書を集める
・写真に収められたものについての記憶を記録する
などについて、出席者にアドバイスされた。

講師コメント:今石みぎわさん
今回は平成26年3月に刊行した『ごいし民俗誌』について、なぜこういったものを作ろうと思ったのか、またそれぞれの調査の中で何をお伝えしたかったのかについてお話させていただきました。調査の過程ではいろいろな方に本当にたくさんの興味深いお話を聞かせていただきましたが、今回の勉強会でも会場のみなさんから活発に発言をいただき、楽しいひと時となりました。また、今後は地域が主体となって自分たちの暮らしを記録する活動を続けていきたいという機運が高まりつつあるのは本当に喜ばしいことで、この冊子を編んで良かったと心から思います。実は最近、碁石以外のいろいろな地域でも、こうした記録を作りたいという声があると聞いています。震災から四年が経ち、改めて地域文化が持つ役割が見直されてきつつあるのかもしれません。

コメント:大和田拓美さん(山根地区住民)
子どもの頃、浜を通ると石が積んであるのを不思議に思った記憶がある。この石はなんであるんだろうと・・・。それが今日の今石先生の話で初めてわかりました。昔、海苔は石にこびりつけて収穫していたんですね・・・。

コメント:大和田東江さん(西館地区住民)
布海苔の石には花崗岩が使われている。このあたりでは広田半島あたりにあるようです。布海苔は船曳場や波打ち際に投げた板石に付着させて収穫するので、表面が滑らかでまるい石は適していない。
それで表面がざらざらな花崗岩が使われている。いまでも年に数回あり開口日があり、まつも、岩のり、ひじきなどと収穫されている。

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第2回「ごいし民俗誌」勉強会(H26.9.1)は【こちら】
第1回「ごいし民俗誌」勉強会(H26.5.18)は【こちら】


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