R5館報まっさき 12月号

R5 館報12月
<健康長寿のための筋肉の鍛え方その2>
館報11月号に引き続き、日本老年学会理事長で医学博士の荒井秀典先生が話している「健康長寿のための正しい筋肉の鍛え方」について、掲載します.。筋肉の衰えを「サルコペニア」、運動機能の低下を「ロコモ」(ロコモティブ・シンドローム)、心身の虚弱状態を「フレイル」と呼びます。

サルコペニアに気づくきっかけ
以下に該当する人は、今日から筋トレをしましょう。
①慢性疾患(糖尿病、慢性閉塞性肺疾患、心不全、腎不全)がある人、②立ったままで靴下が履けない人、五回椅子立ち上がりに十秒以上かかる人、③階段を一段飛ばしで駆け上がれない人は、サルコペニア予備軍です。④両手の親指同士、人差し指同士をつなげて輪を作り、ふくらはぎの最も太い所を囲んだ時、隙間ができる人(ふくらはぎの筋肉の減少)、⑤心臓や肺は問題ないのに息切れしやすい人は、「早期のサルコペニアのおそれあり」です。⑥ペットボトルの蓋が開けられない人、⑦横断歩道を青の間に渡り切れない人は、すでにサルコペニアです。
サルコペニアの予防<栄養と運動>
 サルコペニアの治療薬はありませんが、栄養と運動によって予防できます。
<栄養>
①ビタミンDの摂取(二十から三十分の日光浴)②タンパク質の摂取(体重一kg当り一・〇から一・二g/日。体重の千分の一が目安。六十kgの人は六十g)、③三食バランスよく、が重要です。
<運動>
 日本人は世界の中でも、座位行動の時間が長いと言われています。座っている時間を減らし活動量を増やすことが健康長寿の秘訣です。
 運動には筋トレ、有酸素運動、バランス運動の三つがあります。「筋トレをした翌日は、有酸素運動をする」というように組み合わせると、三ヵ月で筋力が戻り、楽に動けるようになります。また、より多くの物質が分泌するようになるので、運動能力が向上して転倒リスクが減ったり、骨が丈夫になって骨折リスクが減ったり、臓器にいい影響が出たり、認知機能が回復してうつ状態が改善するなど、生活の質が向上します。
人生百年時代に向けて
 筋トレを始めるのに遅すぎるということはなく、九十歳で始めても筋肉は成長します。ただ、できれば五十歳代くらいの若い時から、「貯筋」しましょう、ということでした。
まずは、百歳を目指し、今日から実践しましょう。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です