R2館報まっさき 2月号

R2 館報2月
支え合いの地域づくりを
「安心して暮らせる老後を迎えるために」と題して、支え合い地域づくり講演会を内閣府地域活性化伝道師である志村尚一氏(ウイルビー代表取締役)を招き、2月9日、ふるさとセンターにおいて開催した。
人は誰でも幸せな人生を送りたいと思っている。でも人は誰でも歳を取る、人は誰でも老いてゆく、ある日突然やってくる「寝たきり人生・リハビリ人生」。その時あなたはどうするの?その家族はどうするの?
人口減少と高齢化が進む今日様々な問題が出ている。なかでも介護の問題は誰でもが関心と問題意識を持つべき重要課題だ。「介護問題は誰にとっても他人事ではない」ことに気づき、「自分も明日から何かやってみよう(自助・互助)という気持ちになってほしい」と認知症になった実母の介護体験をもとに介護のあり方を話された。
そして、介護の問題は、「決して他人事ではなく自分事」として捉えてほしいと強調された。

介護を取り巻く今日的課題として、つぎの5点を挙げた。
一 家族介護力の低下 
高齢者の子どもとの同居率が低下していること。これから、介護される側の人口は増加するが、介護する側の人口は減少することで、十分な介護ができなくなってきている。
二 認知症高齢者の増加 
認知症高齢者数将来推計をみると2015年:345万人、2020年:410万人、2025年:470万人、5年ごとに60万人ずつ増加すると予想される。
三 高齢者の一人暮らし・夫婦のみ世帯が増加することで、生活支援ニーズも急速に高まる。 
2025年には、高齢世帯は約1900万世帯、そのうち約7割が単身・高齢者のみの世帯と推測されている。それに対する生活支援ニーズへの対策も急務。
四 地域コミュニティの脆弱化 地域住民の関係性が薄くな っていること。地域住民の 若い担い手が育っていない ことから地域包括ケアシス テム構築は容易ではない。
五 労働力人口の減少で介護専門職員の確保が難しくなる。
要介護者と在宅介護のニーズは増加するが、それを支えるために必要な介護専門職員の数は労働力人口の減少により確保が難しくなる。
 それでは、それらの問題を解決するために、まずはどんな意識を持ち、何から始めればいいのか。その一つは、楽しみながら「健康寿命」を延ばす活動をすること。高齢者自らが介護される側にならないように努力することだ。お茶っこ会でも、みんなの体操でも、ウオーキングでも、趣味のサークルなど、自分の好きなことに参加しながら他人と交流し、元気をもらうのがいい。さらに、人のために役立つ活動をすれば張り合いも出て一層元気になるといわれる。それが自ら健康寿命を延ばす力となる。二つ目は、住民同士が支え合い助け合う「近所の近助」を実践することだ。支え合うことによってより良い人間関係が生まれ、人と人の絆が強くなる。そうすれば、自助と互助の潜在力が引き出され、感謝やねぎらいの言葉を交わし合えるコミュニティが構築される。
目指すは、自助・互助を実践できる『共生型地域コミュニティ』の構築だ。「共生」とは、お互いを尊重し合い、共に生きること。「尊重し合う」とは、お互いを価値あるものと認め、大切に扱うこと。「価値あるもの」とは、有用な人材であり、役に立つ人のことである。住民は皆価値ある人、大切な人なのである。住民すべてがかかわりあい、支え合っていかなければ、超高齢化社会が抱える諸問題は解決できない。
誰もが、住み慣れた地域で、尊厳を守りながら自分らしく暮らし続け、天寿を全うするために「共生型地域コミュニティ」を構築することが何よりも大切だと力説した。
最後に、まずは、できることからはじめましょうと呼びかけ講演を閉じた。
 参加者の一人は、身近な話題からの話で、さらに映像をみることでわかりやすく、介護の問題は「自分事」なんだと気づかされた。また近所で支え合っていかねばならないこともあらためて強く感じた。まずは自分の できることから取り組みたい、と話していた。 
 ちなみに、末崎町の令和元
年12月31日現在の世帯数は1523世帯、人口は4518人である。毎年55人程減少している状況である。75歳以上の高齢者は、約930人である。また高齢の一人暮らしや高齢の夫婦のみの世帯も増加しており、通院や買い物支援が必要になってきている。


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