H30館報まっさき 7月号

H30 館報7月
これからの地域づくり
大船渡市が主催する「地域づくり懇談会」(末崎地区)は、7月3日夜、ふるさとセンターで地区公民館運営委員を対象に開催された。市はこれまでの地区公民館のあり方を見直し、地区の諸課題は、地区で解決を図る地域運営組織をつくり、可能な限り地区(市民)で解決する。地区でできないことは、市(行政)がやるという、地区と市が協働して持続可能なまちづくりを行う仕組みにしたいという考えを示した。
 大船渡市の人口は平成30年6月30日現在36,805人であるが、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、平成42年には29,963人に減少するとされている。末崎町においても、人口は平成30年6月30日現在4,119人であるが、半年前に比べて77人も減少している。大震災後の平成24年から平成29年までの6年間で322人の減少、毎年53.7人減少していることになる。

 この人口減少と進む少子高齢化等によって、これからの地域経済は労働力不足、後継者不足になり縮小する。医療・福祉・介護分野においては、需要が増すが人手不足。教育・子育て分野は、学校統合が進み、遠距離通学を余儀なくされる。交通・住宅分野は、公共交通も運営難になる。また空き家も増える。市の財政も税収は減少し、公共施設は運営難になる。さらに、市の職員も削減しなければならないので市民へのサービスが行き届かなくなる。地域社会(コミュニティ)においても、地域活動の担い手不足や共助機能の低下が考えられる。
こういう状況下においても、安心して生涯暮らし続けられる地域をつくるには、どうすればいいか。
市は、その対策として、つぎの3点を掲げた。
①地区と行政の「協働」を推進
これまでの行政主導型から協働型へ変える。地区と行政は、お互いが支え合い補完するパートナーとして協力し課題の解決を図る。
地区は地区でできることを実施。行政は行政でしかできないことや地区ができないことを実施する。
②地区の体制を強化
多様な担い手を取り込んだ地域運営組織の形成。地域活動の担い手不足が懸念されるので、子育て世代、若者、女性、働き盛り世代、地元企業、NPO法人、市民活動団体等を取り込んでの組織の強化を図る。併せて後継者の育成を行う。
「地域運営組織」とは、将来にわたって暮らし続けられるように、一定の区域の住民が主体となって地域課題の解決に向けた取り組みを行う組織のことである。
③協働のパートナーとして市の体制を強化
大震災後、市は社会教育・生涯教育関係については教育委員会、地区のまちづくり(地域づくり、防犯、防災、交通、助け合い等)については、企画政策部企画調整課(市長部局)がそれぞれ地区公民館と連絡調整を図りながら、それぞれの諸課題に対応してきた。それを今後は市長部局に移管し窓口を一本化するとともに各部署と情報を共有して地域運営組織の要望に応える。
<地域運営組織のあり方>
地域運営組織の形態や取り組みは地区の実情に応じ色々な形があるので、各地区は若い人からお年よりまで各階各層の人たち、さらに専門家も交えた「ワークショップ」で考えて最も望ましいと思われるものにすればいい。それゆえ、雛形はないとしている。
 地域運営組織によるまちづくりは、すでに、一関市(市民センター)、奥州市(地区センター)、北上市(交流センター)、釜石市(生活応援せんたー・地区公民館)、陸前高田市(コミュニティセンター・地区公民館)などが行っている。
(注)「地域づくり」とか「地域運営組織」の地域とは、現在の地区のことである。


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