寒気張り詰めるなか厳かに奉納
神坂熊野神社式年大祭宵宮祭 気仙法印神楽

宵宮祭の御神楽去る10月30日、熊野神社お祭りの宵宮祭において、御神楽を見る機会に恵まれました。ちなみに熊野神社において、御神楽が奉納されるのは、実に70年振りとのことです。いつもは閉じられたままの拝殿は、三方を吹き抜けとし、背後の楽屋には幕が張られ、前面に厳かな舞台が設営されていました。

 立冬を1週間後に控えた寒気のなか、境内は御神楽が今はじまるという神聖で厳かな空気がしんしんと満ちていました。
 いよいよゆるやかな調子の太鼓の音で「打ち鳴らし」が始まった時、「あらっ・・・どこかで聞いたことがある!」と思いました。子どもの頃、盆の15日だったでしょうか、父母に連れられて見に行った五葉神社(大船渡市内立根町)の御神楽です。今は父母に聞くすべもないのですが、あれはきっと気仙法印神楽だったのでは。
 思い出も手伝って、なかなか興味深く鑑賞することができましたた。曲目は、「初矢」「両天」「五矢」「日本武」「空照」そして最後に「鬼門」と神話の世界が演じられた。写真は、本神楽の始めに舞われるという「初矢」、陰陽二神の勇壮な剣の舞である「両天」、五本の矢をもって四方中央を射て難を祓う「五本の魔よけのかや」が放たれた「五矢」、兵庫県西宮神社の祭神蛭子命(ひるこのみこと)漁業の神で釣りをされている様子がなかなか面白く演じられた「西乃宮」、剣を奪い合う「日本武」、それから注連を切る舞は最高潮に達し、太鼓と舞の呼吸が合って勇壮・華麗に舞っているところの「鬼門」などです。
 寒さに震えながらも気仙法印神楽を充分に堪能しました。機会があれば、もう一度是非見たいものだと思っています。

はしご虎舞
はしご虎舞
はしご虎舞
リーダーの菅原館長

*気仙法印神楽データ
 恒例神楽奉納神社

  • 4月13日 賀茂神社例会(大船渡町)
  • 4月17日 天照御祖神社例祭(盛町)
  • 7月中旬 宇賀神社例祭(日頃市鷹生部落)
  • 7月16日 天照御祖神社例祭(猪川町)
  • 7月27日 五葉神社例祭(立根町)
  • 9月第一日曜日 五葉山神社例祭(日頃市町)
    特長 岩手県で唯一の法印神楽、神楽の演者は全員が神官
  • 気仙法印神楽伝承会 
    住所:大船渡市盛町字町一ノ四 電話0192-26-3871

(文 菊池則子/写真 菊池則子・丸山 修)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です