
地舞だけで構成される虎舞や権現舞、七福神と異なり、はしご虎舞は地舞のほか、3メートル余りの小縦はしご、縦はしごへのアプローチとなる約13メートルの横ばしご、約16メートルの縦ばしごの昇り降りやアクロバティックな演技がある。囃子方、才坊振りと虎舞が織りなす絶妙のイントロと、はしご上での緊迫した演技で観客を魅了するとされている。よって万が一に備えて安全ネットは張ってあるものの危険を伴う。また、強靭な足腰と強い精神力を必要とし、ベテラン経験者と若手はしご乗りの後継者なしには存続が危ぶまれる。
平地域は高台に位置しているため、津波の被害は受けなかったものの、暮らしや仕事には多大な影響があり、住民全体や祭りの担い手の高齢化も進んでいた。
前回予定されていた2011年秋の式年大祭が東日本大震災の影響で取り止めとなったため、今回、8年間の空白を経ての取り組みとなった。ここで復活しないと・・永遠に絶えてしまう・・と。





リーダーの菅原館長によると、10月6日より練習を開始、毎週月曜日を休みとしたが、それ以外の火曜日から日曜日、18時ぐらいから集まり、笛や太鼓の囃子方、才坊振り、虎舞、はしご虎舞など、各パートごとや連携しての練習を続け、なんとか本番に漕ぎつけたという。平地域には約200世帯が暮らしており、このうち祭組には約100人が参画。30余りの役割を手分けして分担、文字通り地域のつながりと協力なしには成しえない集落をあげての一大イベントとなった、ということでした。

結果、地域の子どもとお年寄りなどに顔が見える関係が創出され、着付けてもらったり化粧してもらったり、褒めてもらったり、みんなで協力したりで、子どもたちもこの時ばかりはマンガやゲームをさておいて祭りに集中した。地域のみんなが協力して取り組み、楽しんだ経験は経済的な価値では計れない貴重な経験となった。古くから伝わる地域の祭り、基層文化の大切さを改めて実感させていただきました。
なお、今回、華やかな手踊りは見送ったものの31日の奉納舞の御行列には平地域からは約200人が参列、賑わいを見せた。


(文・写真 丸山 修)
<平組はしご虎舞 データ>
○児童の部
- 虎舞関係者 地舞:7名 9歳~14歳
- 太鼓関係者:12名 9歳~15歳
- 才坊関係者:10名 6歳~8歳
<大人の部>
- 梯子虎舞:6名 33歳~58歳
- 地舞:4名 20歳~36歳
- 才坊:1名 21歳
- 太鼓関係:5名 34歳~50歳
- 笛関係:7名 36歳~74歳
式年大祭当日夜に一度大船渡入り、周回遅れの翌週に再び訪れる機会に恵まれましたが、式年大祭にかける皆さんの熱い想いだけはとても強く感じる事が出来ました。また四年後出来たら実際の様子を是非一緒に感じたいと願ってます(#^_^#)
まとめお疲れさまでした!