まっさきふれあい映画館「夢は牛のお医者さん」報告

まっさきふれあい映画館(第3回)報告

2「夢は牛のお医者さん」上映会
日時 2015年3月7日(土)
会場 末崎地区公民館(ふるさとセンター)
主催 大船渡市「デジタル公民館」まっさき運営協議会
参加者 地域の参加者18名(子ども4名・大人14名:うち現地スタッフ3名)
活動スタッフ3名、映像・音響・三陸みらいシネマ1名

大船渡市「デジタル公民館まっさき」運営協議会の第3回まっさきふれあい映画館「夢は牛のお医者さん(時田美昭監督)」を開催しました。先月中に町内の小学校、保育園全児童に渡るよう関係者に配布され、2月22日には地元新聞の東海新報にも記事紹介されており、親子がたくさん来てくれることを期待してこの日を迎えました。

当日8時半より、会場窓の暗幕張り、観賞席、受付、上映システム、テレビ会議システムなどの準備作業が行われ、13時50分よりスケジュールのご案内、同時上映会開催先からの中継、近藤均公民館館長からのあいさつがあり、14時過ぎから上映、上映終了後は16時20分過ぎからテレビ会議によるトークイベントも行われました。

映画はS62年、新潟県の山間にある小さな小学校に3頭の子牛が入学した。まっすぐに夢を追った少女、高橋知美さんの26年間に密着したドキュメンタリー。

来場者は児童3名、大人15名と少人数でしたが、牛の卒業式での女の子のかなしみ、その涙に応えるような、心なしか潤んで見えた牛のまなこ、夢を追ってひたすらの学ぶ姿、岩手大学や国家試験に合格したときの本人や家族等の喜びのシーンと、みんな、ただただ感涙、感涙。1時間半の映画は、水に広がる波紋のように夢を追う少女の姿がしみじみと心に沁み渡った。

映画終了後、文部科学省初等中等教育局の田村学教科調査官と文化庁文化財部伝統文化課の神代浩課長が出演、熱のこもったトークイベントが行われた。当会場の鑑賞者からも、「どうして高橋知美さんに焦点をあててつくられたのか」とか「牛の命に値が付けられるという牛の宿命、辛い別れの体験を経て次第に地域に信頼される獣医になっていく、その成長の過程が素晴らしく感動させられた」などと感想がのべられた。

雪深い、へき地の厳しい環境の中で、動物愛護の心を育み、牛のお医者さんになるという夢を追い、実現したその少女の姿は、3・11被災地であるこの末崎の子らの心に大きな励ましと夢を与えるものであった。願わくは、もっと多くの教育者、保護者、そして何より児童に鑑賞していただきたかった。主催の熱意が地域に浸透されずにいるのが地元に住む者としてまことに残念に思う。

(文・写真 菊池 則子)

 

≪コメント≫ 丸山 修
夢を実現した後、迷わず、夢を応援してくれた家族が暮らす地域へ戻って獣医の道を歩むともみさん、小学生時代、たくさん喜びを分かち合い、たくさん悲しみを分かち合い、いっぱい夢を膨らませたことで、少女はやさしさ、強さ、豊かなレジリエンス力を身に付けたのではないか、と思いました。そして地域に頼られる腕のいい逞しい獣医さんに。地域創生の人づくりにたいへん参考になる映画でしたね。

アンケート結果は【こちら】(PDF)から

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<2015.3.18 文面更新>


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